(第35号) 2005年6月23日
政策調査情報 連合北海道 政策道民運動局
■政策調査情報の内容;
介護保険制度改革法案の可決・成立にあたっての草野事務局長談話(6月22日)
介護保険制度改革法案の可決・成立にあたっての談話
1.本日、参議院本会議で、与党と民主党の賛成多数によって「介護保険制度改革法案」が可決・成立した。法律は、本年10月に実施される施設給付の見直しを除いて、2006年4月から施行される。同法案は、すでに衆議院厚生労働委員会で4項目の附帯決議と17項目の確認答弁が行われていたが、参議院厚生労働委員会でもさらに24項目の附帯決議と33項目の確認答弁が行われ、多くの連合要求が盛り込まれる結果となった。
2.参議院の審議では、特に介護労働者の雇用・労働条件の問題等についても議論が行われた。その結果、大臣確認答弁と附帯決議には、連合が求めてきた、@介護労働者の雇用管理・労働条件の改善、A施設基準の見直し、B直行直帰型ヘルパーやグループホームの夜勤の労働実態の把握・改善、C労働関係・社会保険関係法規の遵守を介護事業者の指定・取消要件にすることの検討、短時間勤務を含む従業員の健診や感染症予防研修の実施の有無を情報公表項目に追加すること、D介護現場の医療行為についての検討の場の設置、E第2号被保険者の保険料率の上限設定を含めた急激な増加の抑制策の検討、等が盛り込まれた。あわせて、事業計画策定委員会や地域包括支援センター運営協議会への第2号被保険者・医療保険者代表の参画促進や、中央に制度運営の協議会を設置することも実現できた。これらは民主党の多大な尽力の成果であり、重ねて敬意を表する。
3.しかし、他方で政府が十分な準備期間を確保しないまま、本年10月からの施設入所者の自己負担増を押し切ったことは問題であるといわざるをえない。また、今回の制度改革の最大の論点であり、連合が制度創設当初から求めてきた「被保険者・受給者の範囲拡大」については、参議院でも衆議院の附帯決議の域を越えることができず、今回の法案審議での実現を果たせなかったことは極めて残念である。連合は引き続き、2009年度から範囲拡大が実施されるよう、強く求めていく。
4.今後、制度改革を踏まえた人員配置等の基準や介護報酬改定の議論が介護給付費分科会で開始される。連合は、分科会での意見反映を通じて、利用者・被保険者、介護労働者の立場から、法案審議で実現できなかった連合要求の実現や、改革の趣旨を徹底するための基準の充実に取り組むとともに、衆参両院の附帯決議・確認答弁事項の確実な実施を求めていく。また、介護保険事業計画の策定や、地域包括支援センター運営協議会等への被保険者代表の参画においては、地方連合会・地域協議会の地域での取り組みが一層重要になる。連合は、関係各団体と連携をはかりつつ、介護現場や地域の中から、制度のさらなる充実のための取り組みを進めていく決意である。
以上